真咲輝司 Rehabili knock

大学病院で勤務する理学療法士

ランニング中の呼吸苦を減らします!! ランニングエコノミー 心臓・肺 編

これは理学療法士となった自分が世界中の論文を読みまくり、ためになると思ったことだけを伝えていくランナーのためのブログだ。

 

本日の内容は前回に続くランニングエコノミー 心臓・肺編

 

 前回の記事を読んでいない方はこちらを一読いただけるとありがたい。

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 簡単に前回の記事をまとめると酸素を効率的に使う能力のことをランニングエコノミーという。

 

つまりどれだけ少ないエネルギーで走るかが、マラソンおよび中長距離ランナーにとって重要なのだ。

 

呼吸することにもエネルギーが必要で、換気の仕事自体は一般的に酸素消費コスト6-7%を占めると報告されている。(MILIC.1964)

 

 

ランナーたちは走る時に自分の呼吸のリズムを持っているのではないだろうか?

 

①吸って+②吸って+③吐く というような方もいれば、

 

①吸って+②吐く というように、一人一人自分の換気パターンがあるはずだ。

 

 

その呼吸の方法は誰かに習って身につけたものだろうか?

大抵の人が自己流で身につけた呼吸リズムだろう。

 

もしかするとその呼吸リズムを変えるだけでマラソンタイムが大きく変わるかもしれない。

 

 

 

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ランニング中の呼吸苦を減らす 

 

最初に皆さんに質問させて頂く。

 

ランニング中に体内の酸素が減ることと、二酸化炭素が増えること どちらが良くない??

 

 

酸素が減ることの方がだめでしょ!

 

と答えたそこのあなた。今日このブログを読んでいただけて良かった。

実は酸素が少し減ったところでそんな問題にはならない。

 

本当に。

 

その説明をこれからさせて頂く。

 

 

ランニングをすると、次第に息が苦しくなってくる。

一見すると当たり前のことだが、そもそもの話。どうして息が苦しくなってくるのだろうか。

 

体力がないってことだろう!ってそれは全く違う。

 

呼吸苦を感じるメカニズムを知ることで、明日からのランニングの考え方が大きく変わる。

 

 

ランニング中に呼吸苦を呈するメカニズムは4つある。

 

①動脈血酸素分圧(PaO2)の低下

②動脈血二酸化炭素分圧(PaCO2)の上昇

③気道の刺激(痰,唾液)

④換気パターンの乱れ

 

この中で特に重要なのが②と④だ。ここについては後ほど説明させていただく。

 

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ではまず①動脈血酸素分圧(PaO2)の低下と ②動脈血二酸化炭素分圧(PaCO2)の上昇

を比較してみよう。

 

なぜ二酸化炭素が増えることが良くないのだろうか。

  

その理由は、酸素と二酸化炭素を監視している部位の違いにヒントがある。

 

体内の酸素濃度は血管にある受容体(頸動脈小体、大動脈小体)で監視している。一方で体内の二酸化炭素濃度は脳幹の延髄で監視している。

 

つまり酸素は末梢器官で、二酸化炭素は中枢器官で監視しているのだ。

 

言わば二酸化炭素はエリートたちが管理し、酸素はその下っ端たちが管理しているという感じだろうか。

 

中枢のエリートたちが管理するだけあって、二酸化炭素が体内に増えることの方が恐ろしいことなのだ。

 

当然、二酸化炭素が体内に増え始めれば、身体を守ろうと相応の反応が起こる。

それが呼吸苦なのだ。

 

一方で、下っ端たちが管理している体内の酸素は少し下がったくらいで容易に呼吸苦は生じない。

 

つまり、ランニング中の呼吸は二酸化炭素が上昇しない呼吸法にしなければならない。

 

そして・・・。

二酸化炭素が増えることと同じくらい呼吸苦を生じる要因がある。

④の換気パターンの乱れである。

 

換気パターンの乱れ??

と、呼吸理学療法を知らない限り、頭にはてなが浮かぶ方がほとんどだと思う。

 

試しに、面白い体験をしていただこう。これから2つのことを試してほしい。

 

まず1つ目は10秒間、息を止める。

 

そして、2つ目は

浅い呼吸を10秒続ける。呼吸回数は1秒間に3回くらいの速いペースで。

 

どちらが苦しく感じただろうか?

 

机上で考えると息を止めている方がきつく感じるような気がする。

 

ちょっとでも呼吸している方が楽なのでは??と普通思うだろう。

 

浅いと言えど、少し呼吸をしている方が、息を止める場合に比べて酸素と二酸化炭素のガス交換を行なっているはずなのに。

 

しかしやってみていかがだろう。後半の浅い呼吸を繰り返し行う方が苦しく感じるのだ。

 

 ここで皆さまにも気がついていただけただろう。換気パターンの乱れがいかに呼吸苦を引き起こすか。

 

では、どのような時に換気パターンが乱れやすいのか。

最も起こりやすいのは、ランニングの後半あたりで少し疲労が出てきた時や、走る前から緊張して不安が強い時である。 

練習ではベストタイムを出せるのに、大会になると今一つベストが出ないということはないだろうか?

 

そこには換気パターンが乱れていることが理由かもしれない。

大会でベストが出る時は、焦っている時よりも意外と冷静に落ちついている時なのだ。

 

 

ではなぜ換気パターンが崩れると呼吸苦を生じるのだろうか。

 

肋骨と肋骨の間にある肋間筋、さらにその筋肉内にある筋紡錘が換気パターンの乱れを感知し、その情報が脳の深いところにある大脳辺縁系に送られる。そこで呼吸困難として認識されるのだ。

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ではどのような呼吸パターンが良いのか、次の項で考えていこう。

 

息を吐くことを重要視すること

先ほどの、動脈血二酸化炭素分圧(PaCO2)の上昇が起こらないようにするためには、

息を吸うことよりも、息を吐くことに重きを置いてほしい。

 

その結果、できる限り動脈血二酸化炭素分圧(PaCO2)を溜めることなく呼吸苦を生じにくくなるだろう。

さらに終盤にかけて換気パターンは崩れやすい。

呼吸が浅くなると途端に換気パターンが崩れ呼吸苦を生じる。

 

何度も言うができる限り息を吐くことを意識してほしいのだ。

 

さらに息を吐くことを意識することはランニングエコノミーの向上につながる。

 

息を吐くことを意識すれば1分間当たりの換気量が増大する。

 

南カロリナ大学のSP Baileyらの研究によると、1分間でどれだけ呼吸できるか、つまり分時換気量がランニングエコノミーの向上と関連すると述べているのだ。

 

実際にデンマークのオーデンセ大学Franchらは

分時換気量の増加はランニングエコノミーの増加と中等度相関することが明らかにされている。(r=0.64 P値<0.05)

 

これまであまり息を吐くことを意識して走れていなかったランナーはぜひ、明日からの練習で意識づけをしていただきたい。

 

皆さんの、目標タイムの達成に少しでも関与できれば幸いだ。

Reference

 

1 有田秀穂:息切れのメカニズム,COPD FRONTIER 2006 vol s No 2:50−55

2 Bailey SP, Pate RR ,Feasibility of improving running economy.Sports Med. 1991 Oct; 12(4):228-36.

3 Franch J, Madsen K, Djurhuus MS, Pedersen PK. Improved running economy following intensified training correlates with reduced ventilatory demands. Med Sci Sports Exerc. 1998;30(8):1250–6.

4 MILIC-EMILI G, PETIT JM, Mechanical work of breathing during exercise in trained and untrained subjects.J Appl Physiol. 1962 Jan; 17():43-6.

 

 


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1秒でも速くなりたい人に向けたランニングエコノミー

当時私は、愛媛県の高校で800,1500mを専門としていた。仲間と同じだけの練習をしてきたのに、同じ部内に全く敵わないやつがいた。

 

練習量で負けていたとは思わない。しかし最後のスパートでいつも差をつけられてしまうのだ。当時は才能が違うのだろうと理由をつけていたが、今はそうは思わない。そこには明確な理由がある。

 

もし、これを読んでいる方に同じような境遇にいた方がいればぜひ一読いただきたい。

 

理学療法士となった自分が世界中の論文を読み漁り、ためになると思ったことだけをお伝えさせていただく。

 

これまでに、最大酸素摂取量の違いが、中長距離およびマラソンのタイムに大きく影響することが知られており、最大酸素摂取量を高めるエクササイズが多く考案されてきた。

 

最大酸素摂取量を増やせばマラソンは速くなるわけだが、そこには我々日本人にとっての障壁がある。

 

世界中の研究をみると、最大酸素摂取量には大きな人種の差があるのだ。なかでも黒色人種の選手たちは圧倒的に最大酸素摂取量は高い。

 

つまり、我々日本人には到底世界記録を更新することは到底叶わないと思われていた。

 

そんな時に注目を集めたのがランニングエコノミーという概念だ。

直訳で「走りの経済性」といい、いかに経済的に走ることができるかという考え方だ。

 

酸素を取り込む能力を最大酸素摂取量と言うならば、酸素を効率的に使う能力をランニングエコノミーという。

 

ランニングエコノミーは、ランニングパフォーマンスの30%以上影響すると報告されている。J T Daniels.A physiologist's view of running economy.1985 Jun;17(3):332-8.

 

1980年代から徐々に注目を集めてきたこの概念は我々のようなフィジカルで劣るものにとって希望とも言える。

 

そこから、だ。

日本の選手たちがメキメキと成果を出し世界に名をとどろかせるようになったのは。

 

2004年アテネオリンピックで野口みずき選手が一位となったのは衝撃的だった。

日本人も世界で輝けるのだと。

 

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https://www.joc.or.jp/games/olympic/athens/photo/photo_detail.html?vol_id=753&photo_no=photo1_1

 

中長距離・マラソンでタイムが伸び悩む方々。チームを指導するコーチたちに読んでほしいランニングエコノミーの基礎から応用、そして実践についても紹介していく。

 

ランニングエコノミーの測定方法

ランニングエコノミーの測定にはこのような呼気ガス分析装置という機械を使用している。

なぜかというと、酸素摂取量を調べるためだ。

 

酸素摂取量は1回心拍出量×心拍数×動静脈酸素格差で計算することができる。

この酸素摂取量をいかに少ない状態かつ速い速度で走れるかが鍵となる。

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http://www.unifa-med.jp/news/104.html より抜粋

 

 

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速度12km/h-16km/hで走った時のランナー別の酸素摂取量を表している。

週に1-2回走る趣味ランナーは全体的に酸素を摂取する量が多い。

一方でプロランナーは全体的に酸素を摂取している量が少ない。

 

 これは、プロランナーの方が酸素を効率的に使う能力が高いことを表している。

 

図を見比べると趣味ランナーが14km/hで走っている時と、プロランナーが16km/hで走っている時がだいたい同じ摂取量というわけだ。

 

ランニングエコノミーの種類

ランニングエコノミーはさまざまな要因が影響を及ぼすと言われている。大きく分けると4つに分けることができる。

 

本当はもっと複雑なものでシューズ1つでランニングエコノミーは変化する。

カーボンファイバー製のプレートを内蔵した厚底シューズもランニングエコノミーに影響を与える因子と言えるだろう。

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本日は大きな概要まで。

 

心臓+肺 :酸素の輸送効率がランニングエコノミーに及ぼす影響

代謝:熱調節,身体状況がランニングエコノミーに及ぼす影響

バイオメカニクス:ランニングフォーム、体格がランニングエコノミーに及ぼす影響

神経・筋:筋肉の繊維タイプ、トレーニング方法がランニングエコノミーに及ぼす影響

 

 

これら4つのランニングエコノミーの基礎から実践までをわかりやすく次回以降紹介していく。

 


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Reference

1 J T Daniels.A physiologist's view of running economy.1985 Jun;17(3):332-8.

2 Foster C, Lucia A , Running economy : the forgotten factor in elite performance.

Sports Med. 2007; 37(4-5):316-9.

3 Johnston R, Quinn T, Kertzer R, Vroman N. Strength training in female distance runners: impact on running economy. J Strength Cond Res. 1997;11(4):224–9.

4 Daniels JT, Krahenbuhl G, Foster C, Gilbert J, Daniels S. Aerobic responses of female distance runners to submaximal and maximal exercise. Ann N Y Acad Sci. 1977;301:726–33.

5 Daniels J, Daniels N, Running economy of elite male and elite female runners.Med Sci Sports Exerc. 1992 Apr; 24(4):483-9.

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ランナー必見!! ランニング大好き理学療法士が教える 必ずマラソンが速くなる筋力トレーニング【実践編 】

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マラソンのタイムを上げたければ、ランニングエコノミーについて知らなければならない。

 

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今回は前回に続く実践編!

遠心性収縮で行うハムストリングス トレーニング!

 

ハムストリングスの解剖学

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 ハムストリングスは下肢の後面に位置しており、股関節と膝関節をまたぐ2関節筋だ。

ハムストリングスの低下は膝の固定性が下がり、ムダなエネルギーを消費しなければならない。その結果ランニングエコノミーが低下し、ランニングタイムの低下を来すことを明らかにした。

 

前回の記事ではここまでの内容を話した。

本日は遠心性収縮でハムストリングスを鍛える方法を紹介していく。

 

 遠心性収縮

遠心性収縮というのは筋肉が縮もうとしながら引き伸びていることで、ジャンプをして着地するときの大腿四頭筋はまさにこの遠心性収縮である。

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マラソンタイムを上げたければ遠心性収縮でハムストリングスを鍛えなければならないのだ。

 

 絶対に気をつけることは、求心性収縮のハムストリングスのトレーニングをしてもランニングエコノミーの改善は乏しいということだ。

 

遠心性収縮と求心性収縮の違いについては前回の記事をご参照いただきたい。

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求心性収縮のハムストリングスのトレーニングはyoutubeでたくさん紹介されている。

レッグカールや、仰向けでブリッジする方法は求心性収縮に当てはまる。

もちろん筋肥大はするだろうが、マラソンでタイムを上げる方にとっては筋肥大は望ましくない。

 

 

今回は遠心性収縮でのトレーニング方法を紹介していく。

 

①ノルディックハムストリングス 

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最も代表的な遠心性収縮を用いたハムストリングスのトレーニング方法がこれだ。

 

ノルディックハムストリングスといい、世界中のトップアスリートに使用されている方法だ。

膝立ち位から足部を固定し、そのまま身体を床につけていく。

これを往復していくわけだが、この往復速度が速いほどトレーニング効果が高い。

 

世界のトップアスリートに説明するのであればここまでで十分。

 

しかしながら正直私のような趣味でランニングをしているものにとって、この運動はかなりきつい。一度やっただけで足がつりそうだ。

 

もう少し、負担の少ない方法も紹介していこう。

②うつ伏せ膝伸ばし

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重錘(1kg〜)を足に巻きうつ伏せでゆっくりと膝を伸ばす方法だ。

重錘のせいで勝手に膝が伸びてしまうところを、ゆっくりとしたスピードで制御しながら行うことができれば正しく遠心性にハムストリングスを鍛えることができている。

 

重錘の重さも軽いものか重たいもの(500g〜5kg)まで調節でき、簡単にネットで購入できるのでオススメだ。

 

実はこれらの遠心性にハムストリングスを鍛えることはランニングエコノミーの向上に加えてさらに我々にとって有益なことがある。

 

遠心性収縮を使いながらハムストリングスを鍛えると傷害リスクが5倍下がる!!

 

実は筋肉を伸ばしながら行う遠心性収縮はとてつもなく筋肉への負担が大きい。

ランニング中に起こるハムストリングスの肉離れを起こす原因のほとんどが遠心性収縮を行った時とも言われている。

 

2017年のジャマイカ代表のボルトが肉離れを起こしたこともまだ記憶には新しい。

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https://www.cnn.co.jp/showbiz/35105685.html

 

 香港中文大学のJustinらは遠心性収縮をおこなったハムストリングスの筋力が低下していると(研究では2.4Nm/kg未満としている) ハムストリングスの傷害が3.14倍増大することがわかった。

 

さらにJustinらは他にも重要な見解を述べていた。

 

「傷害予防にはハムストリングスと大腿四頭筋のバランスが重要」

 

Justinらの研究結果にて

ハムストリングス÷大腿四頭筋の筋力の比率が50.5%を下回ると、

ハムストリングスの傷害する確率は5.6倍高くなることを明らかにしたのだ。

 

さらにアメリカにあるデューク大学のアダムらは、システマッティックレビューを用いて、遠心性のハムストリングストレーニングが傷害予防への効果を検証した。

 

*システマッティックレビュー*

複数の専門家や研究者が作成者となって,一定の基準と一定の方法に基づいてとりまとめた総説のことをいい、エビデンスの高い研究である。

 

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この結果ハムストリングスを鍛えることは、ランニングエコノミーを向上するだけでなく、ランナーたちの傷害予防にも大きく寄与することを初めて示したのである。

 

 怪我予防、そしてランニングエコノミーを向上するために遠心性のハムストリングスを鍛えていこう!!


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質問などがありましたらTwitterのDMなどで受け付けております!

 Reference

1 Justin W Y Lee , Kam-Ming Mok:E ccentric hamstring strength deficit and poor hamstring-to-quadriceps ratio are risk factors for hamstring strain injury in football: A prospective study of 146 professional players. J Sci Med Sport. 2018 Aug;21(8):789-793. 

 

2 Adam P Goode  1 , Michael P Reiman:Eccentric training for prevention of hamstring injuries may depend on intervention compliance: a systematic review and meta-analysis. ports Med

. 2015 Mar;49(6):349-56. 

 

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ランナー必見!! ランニング大好き理学療法士が教える 必ずマラソンが速くなる筋力トレーニング【理論編 】

ランニングエコノミー第二弾

 


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前回の記事でランニングエコノミーという概念について話した。

 

   簡単に要約すると、最大酸素摂取量をいかに効率的に使うことが、マラソンのタイムを上げる重要なカギとなる。

 

ではランニングエコノミーを向上するにはどうするか。

本題に入ってみよう。

 

ランニングエコノミーについて知りたい方はこちらへ

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今回はサンフランシスコ大学のSundbyらの報告をもとにランニング エコノミーについて考えていこう。

 

 

 ランニングエコノミーを上げるにはエキセントリックなトレーニングが重要

 

 ランニング中の筋肉の収縮の仕方は大きく2つに分けることができる。

 

求心性収縮と遠心性収縮だ。

大腿四頭筋を見ながらこの2つの収縮の違いを考えていこう。

 

①求心性収縮とは

ジャンプを行うときに大腿四頭筋の付着部同士のキョリが縮むように収縮する方法のことを求心性収縮という。


サッカーでボールを蹴るときも大腿四頭筋はこの求心性収縮が働いている。

 

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②遠心性収縮とは

一方でジャンプした後に着地するときの大腿四頭筋の付着部同士のキョリが伸びて細くなっていく収縮の仕方を遠心性収縮という。

 

実は遠心性収縮の方が求心性収縮に比べて負担が強く、トレーニングした後に筋肉痛を起こしやすい。

実際にランニングで足を床に接地するときの大腿四頭筋はこの遠心性収縮が働いている。

 

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Sundbyらは、健常成人を対象に膝関節を動かす筋肉の大腿四頭筋とハムストリングス(半腱様筋・半腱膜様筋)の最大筋力を調べた。

 

その結果、ランニングエコノミーの向上には遠心性の筋力が強く関係することを明らかにした。

 

つまり遠心性収縮でのトレーニングを行うと、ランニングエコノミーを向上してマラソンのタイムに直結することが示唆されたのだ。

 

これまではマラソンのタイムを上げるには有酸素運動でのトレーニングが主流だった。

しかしSundbyらによって筋力トレーニングを行うことがマラソンのタイムを上げるという科学的根拠を見出したのだ。

 

遠心性収縮で行うトレーニングのことをエキセントリックトレーニングという。

 

実際のメニューについては、実践編で説明していく。

 

 

さらに、Sundbyらの研究はここで止まらなかった。

 

ハムストリングスの最大筋力を大腿四頭筋の最大筋力で割った比率を算出した結果、

比率が高い人、つまりハムストリングスの筋力が高い人ほどランニングエコノミーが高いことを明らかにしたのだ。

 

しかも、それは筋肉量の厚さが大きいこと以上に重要だった。

 

アイルランドにあるリムリック大学のBeattieらによると、やみくもなフィジカルトレーニングは肥大化効果が生じ、ランニングエコノミーに悪影響を及ぼす可能性があると報告している。

 

つまり筋肉ムキムキの人よりも、筋肉が少なくてもしっかりとバランスよく筋肉を鍛えている人の方がランニングエコノミーが高いと解釈することができる。

 

確かに腑に落ちる所はある。

箱根駅伝に出場している選手や世界のトップランナーを見渡しても筋肉隆々の人はいない。

 

 

ハムストリングスを鍛えると、エネルギー消費が少なくなる

 

ではなぜハムストリングスを鍛えることがランニングエコノミーの向上に繋がるのだろうか。

その答えに、カナダにあるカルガリー大学のFollandが1つの答えを出した。

それは、

「ハムストリングスを鍛えることで膝の固定性が向上し、膝関節が安定する」

 

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走行中は地面を足につけた瞬間(踵接地)に膝関節をガクッと曲げるような外力が働いている。

 

しかし、大腿四頭筋とハムストリングがこのとき同時に収縮し膝関節が曲がらないように固定している。

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このときに、ハムストリングスが弱いと膝関節の固定性が不十分となり安定せずグラグラしてしまう。

 

 関節が安定するとムダなエネルギーを消費しないため、ランニング中のランニングエコノミーが向上するというのがFollandらの立てた仮説だ。

 

まとめ

近年ますますランニングエコノミーに関する研究は進んでいる。特に有酸素運動ではなく、無酸素運動を行うことでランニングエコノミーが向上し、結果的にランニングパフォーマンスが上がることが明らかとなったのだ。

今回紹介させていただいた報告から、エキセントリックにハムストリングスを鍛えることがマラソンのタイムに直結することが明らかとなった。

 しかし、Beattieが言っている通り、筋力トレーニングはやり方を間違えるとランナーにとってマイナスとなってしまう。ランナーの身体は繊細なのだ。単に筋力をつければ良いという問題ではない。

 

次回はエキセントリックにハムストリングスを鍛える実践編について考えていこう。

 

Reference

1 Sundby & Gorelick (2014) Sundby OH, Gorelick MLS. Relationship between functional hamstring:quadriceps ratios and running economy in highly trained and recreational female runners. Journal of Strength and Conditioning Research. 2014;28:2214–2227.

 

2 Folland et al. (2017) Folland JP, Allen SJ, Black MI, Handsaker JC, Forrester SE. Running technique is an important component of running economy and performance. Medicine and Science in Sports and Exercise. 2017;49:1412–1423.

 

3 Beattie et al. (2017) Beattie K, Carson BP, Lyons M, Rossiter A, Kenny IC. The effect of strength training on performance indicators in distance runners. Journal of Strength and Conditioning Research. 2017;31:9–23.

 

 

 

 

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ランニングで膝を痛めた人必見!!  理学療法士が勧める膝を痛めない走り方

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ランニングは世界で最もポピュラーなスポーツだ。

ランニングランナーの傷害率は高く、その大きな理由が何度も繰り返す床への衝撃である。

 

そのため、ランナーは膝損傷を起こすことが多い。

 

走るたびに膝にかかる負荷量は約300kgにもなると言われている。

 

 そこで今回はサンパウロの市立大学のMatheusらの報告をもとに膝の痛みをなくす方法を考えてみよう。

 

膝への衝撃  大きく2つの接地パターン 

 何度も繰り返す床への衝撃が膝へ負担をかける理由である。

そしてランナー達の床への衝撃の受け方は大きく2種類に分けられる。

 

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踵から足をつく後足部パターンと、指の付け根当たりで足をつく前足部パターンである。

 

 実は前足部パターンの方が後足部パターンに比べて地面への衝撃力が3倍低い。

 

 後足部パターンで走る人は前足部パターンに切り替えることで膝にかかる負担が減るのだ。

後足部パターンと前足部パターンでは、足をつく時にかかる衝撃が大きく違う。

この衝撃を膝にかかる力で考えてみよう。

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Biomechanical Differences of Foot-Strike Patterns During Running: A Systematic Review With Meta-analysisを参考に筆者作成

 

膝にかかる力は運動学的に考えるとわかりやすい。

 

まず、膝にかかる負担床半力(膝にかかる反発力)×モーメントアーム(膝から反発力までの垂直距離)と言われている。

 

言い換えると、床半力(膝にかかる反発力)モーメントアーム(膝から反発力までの垂直距離)

のどちらかが増えれば膝にかかる負担が増大するというわけである。

 

床半力(膝にかかる反発力)というのは、体重や走る速度によって影響する。体重が重たくなれば当然、膝にかかる負担は大きくなるし、走るスピードが早くなっても同様だ。

 

モーメントアーム(膝から反発力までの垂直距離)が長くなると膝にかかる負担が増えるというのは極端な話だとウサギ飛びがわかりやすい。

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ウサギ飛びは膝への負担が強く、近年の小学校では実施を禁止している地域もある。

昔は根性論だと、よくやったものだが。。

 

これを見ると、モーメントアームがとても長くなることがよくわかる。

 

本題に戻るが、後足部パターンと前足部パターンにも同じことが起こっている。

 

写真を見ると前足部パターンはモーメントアームが少し長くなっている。

 

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前足部パターンが膝損傷を減らす大きな理由である。

 

つまり、膝の痛みを減らせるように走るためには、前足部パターンでゆっくりとしたスピードで走ることだ。

 

実際に箱根駅伝に出場するほどのトップランナー達は膝の損傷例が少ない。

箱根駅伝を観戦した時も多くの選手が足のつき方が前足部パターンであった。

 

前足部パターンの走り方を身につけよう 

今まで後足部パターンで走っていた方がいきなり前足部パターンでの走り方をイメージするのは難しいものである。

 

見よう見まねで前足部パターンに切り替えても、つま先から足をつけてしまってはむしろ膝の負担を増やしてしまう。

 

前足部パターンは指の付け根あたり(母子きゅう)あたりで接地しなければならない。

 

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そこでハエン大学のpedroらは前足部パターンの走り方を手に入れる方法に

裸足ランニングを提唱した。

pubmed.ncbi.nlm.nih.gov

 

 

pedroらは健常成人39人を対象に裸足ランニング群20人とくつを履いてランニング群19人で12週間のトレーニングを実施した。

 

その結果、裸足トレーニングはこれまで、後足部パターンで走っていた人が前足部パターンに移行することができたと報告している。

 

近年は裸足でランニングを行うことが注目されており、

アメリカのタフツ大学のkellyらも裸足ランニングすることでランニング障害を予防できることを報告している。

 

もし裸足ランニングを挑戦する方がいるなら、ケガをしないようにアスファルトの上ではなく、芝生やランニングマシーンの上などで実践することがおすすめだ。


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Reference 

Matheus O Almeida: Biomechanical Differences of Foot-Strike Patterns During Running: A Systematic Review With Meta-analysis. 2015 Oct;45(10):738-55

 

Pedro A Latorre-Román: Effects of 12 weeks of barefoot running on foot strike patterns, inversion-eversion and foot rotation in long-distance runners. 2019 Nov;8(6):579-584.

 

Kelly Murphy:Barefoot running: does it prevent injuries? Sports Med. 2013 Nov;43(11):1131-8. 

 

アップテンポの音楽を聴けばランニングタイムが速くなるメカニズム

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音楽を聴きながらランニングすることはよくない。

自分の走るテンポを狂わしてしまうためだ。

実際に自宅の近くの河川敷を歩いてみると、ほとんどの人がイヤホンをつけずに淡々と走っている。

 

そんな中、ウェイン州立大学のJacob らによってこんな報告が上がった。

アップテンポの音楽を聴きながら運動をすることで、疲労感を軽減することが初めて証明された。

 

 

 

今回はアップテンポの音楽が運動中に及ぼす影響について考えていこう。

 

本当にアップテンポの音楽を聴いた方が良いのか

Jacobらは22-31歳の男女を対象に自転車エルゴメーター(自転車のような形をしたトレーニングマシーン)を使い、4Wからスタートし毎分ごとに4Wずつ負荷を増やしていくテストを行った。

およそ、平坦な道を自転車で漕ぐ時に足にかかる負荷がおよそ10W程度と言うとイメージしやすいのではないだろうか。

 

このテスト中にアップテンポの音楽を聴きながら限界まで自転車エルゴメーターを漕いだ時、そして音楽を聴かずに漕いだ時、それぞれの大腿四頭筋にかかる疲労度を筋電図で測定した。

 

筋電図は筋肉の発火頻度、運動単位数を視覚的に評価できると言われており、客観的な評価ができる。

疲労感を評価するために筋電図を用いることは、この研究の優れている点と言える。

 

その結果、アップテンポの音楽を聴きながら行った群の方が、筋出力が大きく上がったのだ。

さらにJacobの報告はそれだけに止まらなかった。

 

疲労感を生じる閾値にも有意な差が生じたのだ。つまり大腿四頭筋が疲れにくいということだ。

 

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筆者にて編集

 

 

とても興味深い研究に思う。アップテンポの音楽を聴きながら運動すればより高い負荷で運動することができるため、効率的で効果が出やすくなるのではないだろうか。

 

しかし、これを読んだ方々はこう思うのではないだろうか。

音楽を聴いたらテンションが上がるんだから、いつもより頑張れるのも当然だ!

 

 

確かにその意見は確かに一理あるように思う。しかし、いつもより頑張っているということは、必ず心拍数が上昇しているはず。

 

今回の研究の参加者では音楽を聴いた群とそうでない群で心拍数はなんと変わらないという結論に達した。心拍数が上がっていないということは、音楽を聴いた群がいつもより頑張っているわけではないのだ。

 

ではなぜアップテンポの音楽を聴くことで、疲労感を感じにくくなるのか。

 

疲労感を軽減するメカニズム

その謎を解く鍵となったのが、脳波の変化だ。

イギリスのブルネル大学のBigliassiらは音楽を聴いている時の脳波の着目した。

 

その結果アップテンポの音楽を聴くと、脳内のθ波が減少することを明らかにしたのだ。

 

θ波とは4-7Hz(1秒間に4-7回振動する)し、主にリラックスした時や深い瞑想をする時にもこのθ波が出現しやすい。

 

よくひらめきが生まれるのは、このθ波の時と言われる。

 

Bigliassiは運動中にアップテンポの音楽を聴くことで、連想的思考ができなくなり、ある意味ゾーンに入るような状態になると結論付けている。

 

さらに音楽を聴きながら運動を行った場合と音楽を聴かない場合と比較して、

運動中の脳の活動を調べた。

 

実際、運動中に音楽を聴いた場合の方が側頭葉や島皮質の活動が増加することが報告されている。

 

これらの結果から脳の疲労に関連した領域に影響を与え、疲労感を感じる閾値が上がったと考えられている。

 

では実際にどんな音楽が良いのだろうか。

 

今回の研究結果では136-160bpmまでの曲が使われているが、高いbpmほど良い結果になるわけではないことがわかった。

 

つまり、アップテンポで自分の好きな曲を聴きながら走ることが最も効果的であると思われる。

 

そんな私も最近好きなDizzel Rascal &Calvin Harrisの「Hype」を聴きながらランニングをしてみようと思う。

 

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Reference

 

Jacob Centala: Listening to Fast-Tempo Music Delays the Onset of Neuromuscular Fatigue.jornal of strength and conditioning research.2019

 

Bigliassi M. Cerebral mechanisms underlying the effects of music during a fatiguing isometric ankle-dorsiflexion task. Psychophysiology 53: 1472–1483, 2016.

カフェインを摂ると足が速くなる?

カフェインの摂取が運動時に有益な効果が現れています。

 

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Clarkeらはカフェイン3mg/kgの量が含まれたがコーヒーと、カフェインが含まれていないコーヒーをそれぞれ摂取させて、違いを比べたところカフェイン入りコーヒーを飲んだ時の方が、1.3-1.9%ほどランニングタイムが速くなったという報告も行いました。

 

他にも、Grahamらは150-300mgのカフェインと摂取しトレッドミルで測定したところ1500mのタイムが1.45%速くなるとの報告も出ています。

  

ではなぜ、カフェインの摂取によってランニングスピードに寄与するのでしょうか。

 

 

カフェインの作用

筋肉を収縮するためには、筋小胞体から出るカルシウムが作用します。しかし、カルシウム濃度が上がると筋肉を過収縮させてしまいます。カフェインには、この過収縮を防ぎ、筋肉をリラクゼーションする働きがあります。(Gold stein 2010)

 

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図 筆者作成

 

 筋小胞体はカルシウムポンプを持ち、能動的にカルシウムイオンを取り込んでいます。

筋細胞に興奮が起こると、筋小胞体はカルシウムイオンを細胞質に放出します。

 

アクチンフィラメントはトロポニンやトロポミオシンという調整蛋白を含んでいます。

 

ミオシンフィラメントは架け橋を構成し、収縮に際してA TPを分解しエネルギーを供給します。

 

カルシウムイオンの濃度が増加し、カルシウムイオンとトロポニンが結合すると、アクチンフィラメントから離れ位置を変えてA TPを分解すると、そこでアクチンフィラメントと結合し、元の位置に戻ります。この運動の繰り返しによって筋肉の収縮は起こります。

 

カルシウムイオンがアクチンフィラメントのトロポニンと結合して、骨格筋の収縮を制御しているので、これをアクチン関連制御と言います。

 

カフェインはこのアクチン関連制御に関与し、筋肉の過収縮を防ぎ、エネルギーを節約する働きがあるのです。

 

 

また、有酸素運動時にアデノシン受容体の拮抗作用が働き、痛みや疲労感を減らす効果があると報告されています。これをエルゴジェニック効果といいます。(Davis 2009)

 

これらのことから、自覚的な疲労感を減らし、ランニングスピードを上げることができると言われています。

 

 

そのため、Collompはカフェインを摂取することで、短距離走のスピードが速くなる可能性を示されているのです。

 

カフェインの量

では具体的にどの程度の量が効果的なのでしょうか。

 

2週間の運動においてFerreiraは(5mg/kg)のカフェインを運動前に摂取した効果を検討しました。その結果、選手たちの筋肉へのダメージが減少することが明らかとなりました。

 

またさらに炭水化物のみの摂取している選手と比較して、炭水化物+カフェインを摂取している選手の方が、エネルギー キャパシティーが増大することを示しました。(Taylor 2011)

 

そんな中、よりカフェインの摂取量を増やした方が、得られる効果も高いのではないかと考えた方々がいました。

 

Pedersenらはこれまでよりも多い8mg/kgのカフェインを運動前に摂取しました。

その結果、新たな効果が明らかとなりました。

 

その研究によるとグリコーゲンの使用を出来る限り最小限に抑えて、さらにミトコンドリア活動も増加することが示されたのです。

 

 

つまり、H I ITのパフォーマンス能力にも影響することが示唆されたのです。

また、近年はカフェインと他の栄養素を組み合わせたマルチサプリメントについても注目を集めています。

 

 

Fukudaらは、カフェインにクレアチンとアミノ酸を組み合わせたことで、ランニングタイムにも効果が現れることを示したのです。

 

しかしまだ、これまでにランニングスピードとカフェインの関係を実際に計測した研究は多くありません。

 

Alexandreらはカフェインの摂取(5mg/kg)の有無で800mのタイムに差が出るか検討しましたが、明らかな差は生じませんでした。

 

もしかすると、カフェインの摂取に加えてアミノ酸などのマルチサプリメントでの介入を行えば、効果が出る可能性があるかもしれませんね。


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